今回のテーマは
完璧を目指すのはやめよう、完璧よりも減点されない設計を
についてお話ししていきます。
今回のお話は二次試験(設計製図)限定です
二次試験は競争試験
まず一次試験と二次試験の違いですが
- 1次試験・・・筆記試験 マークシート記入式のテスト
- 2次試験・・・設計製図試験
になるわけですが。
マーク形式の筆記試験であれば、むしろ完璧なる幅広い知識を身につけて、満点125点を目指して頑張ってください。
90点超えれば大体合格圏内です。
一方の2次試験は点数方式じゃなくて、製作した図面の出来をランクⅠ〜Ⅳに分類していく競争試験です。
受験者のランク内訳(おおよそ)
- ランクⅠ. : 40%
- ランクⅡ. : 20%
- ランクⅢ. : 30%
- ランクⅣ. : 10%
100人受ける人がいれば、40番以内に入れば合格してしまう試験となります。
オリンピックとかと違って1番を目指す必要はなく、1位でも39位も全く同じ評価を受けます。
つまりナンバーワンの完璧な計画を目指す必要は全くないのです。
もちろん本業で設計をされている方からすれば
『俺は手を抜けない!クライアントのために最高の建物を計画しないと!!』
となるのはわかるのですが
本来の設計は長い時間をかけて、検討に検討を重ね、時間をかけて作り上げていくものですよね。
しかしこの試験に出てくる条件は要約すれば
「この立地にホテル建てたいんだけど、この条件で計画してくれない??もちろん特徴が何かも説明してね。金はいくらでも出すから。6時間でいける??」
って言ってるようなもんです。
そんなんまともなクライアントじゃないですよね?
はあ?何言ってんだてめえ?って感じですよね?
そんな状況になると皆さんどうしますか??(いままあ普通は断わるけども)
客先が絶対に望んでいる事を優先して、とりあえず形にしよう!!
細かいところはとりあえずどうでもいいや!
となるはずです。
大切なのは優先すべき条件が何かを見極めて、
致命的な出血をせずにそれっぽい計画を立てることです。
もっと言えばこの試験は、完璧な設計ができないような仕組みになっています。
この条件を優先すると、他の条件を満たすことができないなんてことは茶飯事なのです。
ではその限られた時間で何を優先するべきなのか
この試験で優先すべき大原則は
①空間構成と動線
②周辺環境
③絶対にやれよ?って書いてある事
④法律・構造を守る
です。これさえ守れば確実にランクⅡ以上は行きます。
この大原則を守りつつ、大きなミスなく、出血を抑えていけば
晴れてランクⅠです。
①の空間構成・動線と②の周辺環境については別記事で説明します。
③の絶対にやれよ?ってことと
④の法律を破らない建築関係者でなくてもピンとくると思ううんですよ。
絶対にやれよってことは、
要は施主がちゃんとこれは計画してねって事は守りましょうって話
エントランスには吹抜作れよって言ってんのに作らなかったり
大広間は南側に向けろよって言ってんのに北に向けたり
客室から海が見えるようにと言ってんのに森を見せたり
どんなにいいプランでも、施主の要望を無視したプランは採用されません。
④の法律違反はダメに決まってますよね。
指定された建築面積を守らないとか、上下階で階段の位置が違うとかです。
ここを違反すると一発でランクⅣ
おそらく、『ここは階段の位置をずらしてみよ〜』なんて考えを持って設計する人なんかいないと思うんですよね。
なので落ち着いてミスをしない様にする事で防げます。
君の名は
ランクⅣですらない、それ以下の論外ってあるの知ってますか??
採点するまでもなく、不合格にされる人がいます
それは
名前を書いてない人
小学生かっ!!
って思うかもしれないけど、これが結構いるんですよ。
6時間半あるって言っても、本当に時間が足りなくなる試験ですから、みんな1分1秒が惜しいんですよね。
だから、試験開始!!の合図で大体問題に取り掛かっちゃうんですよ。
で、満足して
名前書き忘れる
とある話で聞いたんですけど、建築士試験の試験監督は、受験生の解答用紙を集めたらまずは仕分けをするみたいです。
その仕分けは
名前が書いてあるか否か
名前が書いてない解答用紙はそこで終了
採点すらもしてもらえないそうです。
まあ当たり前っちゃ当たり前だけど、こんな事で1年間の努力を無駄にしたくないですよね。
だから僕はいつもルーティーンを行なっていました。
試験開始したら
まずは名前と番号を書く
↓
配られた用紙を一通り見る
↓
みんなの様子を眺める
最初の1分はこれに費やしました。
貴重な1分ですが、これをルーティーンにすると妙な落ち着きが生まれ、ミスが減りました。
皆さんも自分なりのルーティーンを持つ事をお勧めします。メガネを吹くとか、背伸びをするとか…
まとめ
・二次試験は競争試験
・完璧な図面ではなくミスのない図面を目指す
・優先すべき条件を見極める
・試験開始したらまずは名前を書く
それでは素敵な試験ライフを!
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